模造品
シェイクスピアやドストエフスキーが現代に生まれ変わって、その作品を発表したとしても、ベストセラー作家にはなれないと思う。同時代人が、同時代の芸術を正当に評価することは極めて困難である。ヘルマン・ヘッセは、ノーベル賞を受賞したが、ヘッセなんか現代のわれわれには何の意味もない。
大江健三郎はノーベル文学賞を受賞したが、それとほぼ同じ時期にユングファンになったのではないかと考えている。ユングのファンになってから、大江は碌な小説を書けなくなった。評論めいたものや講演ばかり行っている。気の毒なことに、創造の泉が枯れてしまったのである。
これとは対照的に、まがい物を量産している輩がいる。村上春樹と宮崎駿である。不思議なことに、偽物が飛ぶように売れるのである。ブランド品そのものよりも、ブランド品の模造品の方がはるかによく売れるのでは、暗澹たる気分にもなろうというものである。宮崎のほうは、引退するようであるけれども。
村上春樹の作品が売れれば売れるほど、その分、真の芸術家の作品が市場から締め出されることになる。恥を知れ。村上春樹。
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